イチローの名言「ライオンはウェイトトレーニングしない!」についての考察
こんにちは。
「studio景」代表のKeitaです。
今回は、イチロー選手がテレビのインタビュー中に発した名言
「ライオンはウェイトトレーニングしない」
という発言について考察していこうと思います。
なお、
実際にイチロー選手のインタビュー動画もリンクに貼っておくのでそちらも是非見てみて下さい。
まずイチロー選手の発言を見ていきたいと思います。
「自分が持っているバランスがありますから、それを崩しちゃダメですよ。筋肉は大きくなるけどそれを支えている関節とか腱は鍛えられない。だから壊れちゃうんです」
これに対しては、運動学的視点で言うと
実は筋肉が大きくなるとそれに比例して腱が強くなったり骨も強くなると言うデータもあります。
それはさておき、ここで大切な事はイチロー選手がトレーニングする事自体を批判しているのでは無く、
「自分が持っているバランスがありますから、それを崩しちゃダメですよ。」と言っている事です。
イチロー選手は「初動負荷理論」という理論に基づいた特殊なマシーンを使ったトレーニングを行っていて、実際ウェイトトレーニングのように身体に負荷をかけるトレーニングをやっています。
なんだトレーニングやってるじゃん!
と思うかもしれませんが、これはイチロー選手が自分自身の身体のことを熟知していて、
その中でバランスを崩さないように細心の注意を払ってトレーニングしている訳であって
トレーニング自体をしていないわけでも、ただ一般的にトレーニングジムで教えられているような従来のウェイトトレーニングをしている訳でもないという事です。
この発言だけ見てしまうと、
「なるほど。イチローもそう言っているしトラやライオンはトレーニングしなくて良いんだ!なら俺もトレーニングしなくていいんだ!」
という風に誤解してしまう人もいるようなのでハッキリ言っておくと
従来のウェイトトレーニングが要らないと言うだけで、負荷があるトレーニング自体を否定しているのではないと言う点です。
「体が大きくなって嬉しくなるじゃないですか?(笑)でもスウィングスピード遅くなるんですよ。体が回らなくなるから。それでシーズン中に筋肉が落ちてきてなぜか調子がよくなる。6~7年は毎年同じことを繰り返してました。」
問題はコレです!
ウェイトトレーニングをすると速く動けなくなります。
ウェイトトレーニングは元々ボディビルダーがいかに身体を大きくするか?見た目がカッコいい身体を作るか?という点に特化して進化してきたトレーニング方なので
速く動く為の運動能力の向上や、無駄のない身体の使い方を覚えるためにやるトレーニング方では無いのです。
※もちろん、基礎的な運動能力が足りない人が基礎的な筋力をつける事を目的としてやる分には凄く良いと思います。
カッコいい身体を作るにはウェイトトレーニングが最高に向いているのですが、運動能力の向上や無駄のない身体の使い方を覚える為にはウェイトトレーニングは向いていません。
もちろん全ての種目がそうと言うわけではなく、ウェイトトレーニングの中にも運動能力向上に効果的な種目もあります。
しかし、
大部分のトレーニングが見た目の良い筋肉を作るためのトレーニングなので
身体は大きくカッコ良くなっても運動能力は上がらなかったり、
ウエイトトレーニングをする事で動きがむしろ遅くなってしまったりします。
動きが遅くなる理由は拮抗筋の力みにあります。
重い物をしっかり保とうとすると落とさないように身体は拮抗菌にも力を入れてしまいます。その結果、ブレーキとして作用する拮抗菌に力を入れる悪癖が付いてしまい、動きが遅くなります。
コレは、ウェイトトレーニングにハマる人が1番陥りやすい罠です。
■無駄なところに筋肉をつけてしまう事で身体が重くなって動きが鈍くなったり、
■ウェイトトレーニングをする事で拮抗筋に力を入れてしまう悪い癖をつけてしまったりして
ウェイトトレーニングをやればやるほどパフォーマンスが落ちてしまうという事がおこります。
これをイチロー選手は言いたかったのではないかと思います。
今回の記事の内容を動画でも解説しています。
もしよろしければ、こちらもチェックして頂けるとより理解が深まると思います。
「シマウマは筋トレしないとライオンに勝てない」
と、発言した事について僕なりに考察して行こうと思います。